作用の詳細

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成長ホルモンに関してもっと詳しく

作用の詳細

医学・医療にはすべて確率論的な要素があります。医薬品の効果に関しても、それぞれ、「このような治療を行ったら、○%の人にこのような効果が現れた」というのが中心的な考え方になります。成長ホルモンも同様に、すべての人に同じ効果があるわけではなく、この人にはこんな効果が強く現れたが、あの人にはその効果が感じられなかった、ということがしばしばです。
「成長ホルモンをどのような目的で利用できるか」を解説します。医学・医療における確率論をよく理解した上で、読んでください。

背を伸ばす

子供の背が伸びるのには、成長ホルモンが大きく関与しています。成長ホルモン分泌不全症の子供の場合、身長が十分に伸びません。成長ホルモンは、骨端線に働きかけて、軟骨細胞の分裂増殖、そして、一つ一つの軟骨細胞の肥大化、骨化において、重要な役割を演じているのです。

成長ホルモンで「背を伸ばす」

筋肉や心筋収縮力に対する作用、疲労回復効果

成長ホルモンの筋肉や心筋収縮力に対する作用は強く、長距離走や水泳のタイムが飛躍的に向上することが多いです。また、瞬発力も高まり、野球では低めの球を打ったときの打球が伸びることが多い、ゴルフでは単純に飛距離が伸びることが多い、などを実感することができます。もちろん、成長ホルモン投与はスポーツ競技においてはドーピングに相当し、禁止されています。といっても、検査で検出することもできません(自己の成長ホルモンと外来投与の成長ホルモンを区別できない)ので、どれほど普及しているかは不明です。

そして、疲労回復の効果は劇的です。心臓の収縮力を高めることから、持久力が高まりますが、同時に、強力な疲労回復効果をもたらします。筋肉系の疲れに対してはダイレクトな効果を発揮し、脳疲労に対しても、下記の「脳に対する効果」で示すように、意欲、気力の高まりと同時に、「脳の疲れが吹っ飛んでしまう」という効果をもたらします。

肌との関係

生まれたての赤ちゃんの皮下組織の水分含有率は88%です。20歳でも68%あります。この頃の肌には弾力があり、ハリがあります。以後、皮下組織の水分含有率は年々低下し、60歳を超えると60%以下になります。
皮下組織に水分をため込んで弾力を作るのは、皮下組織のヒアルロン酸です。だから、美容外科では、肌のハリを回復させるために、ヒアルロン酸注入を行うことがあります。ところで、このヒアルロン酸は、皮下組織にある繊維芽細胞によって合成されています。

線維芽細胞は全身の皮下組織に多く存在し、コラーゲン、ヒアルロン酸を合成します。これに伴いこの合成能力が衰えるので、肌のハリが失われていくのです。成長ホルモンはその線維芽細胞を活性化させ、皮下のヒアルロン酸量を増やしますので、皮下の水分保持量が高まります。その結果、肌のハリが高まる、という効果を出します。結局、成長ホルモンを使用すると、全身の繊維芽細胞が活性化して、皮下組織のボリュームが高まり、肌に弾力とハリをもたらすのです。

肌のハリが回復するのはナゼ?

不妊治療

不妊治療に取り組んだけれどダメで、もう妊娠をあきらめていた、という女性でも、成長ホルモンを利用することによって自然妊娠することがあります。

不妊治療中は、成長ホルモン投与で卵子のグレードが上がることが確認されていますので、治療中でなくても、良質の卵子が排卵されるのは間違いありません。基本的な体力向上、容姿、意欲の回復効果も大きいようです。また、男性の精子量を増やすことができますので、男性不妊の場合にも利用価値が大きいと思います。成長ホルモンを利用すると性行為回数が増えますのでそれも関与しているのかもしれません。

成長ホルモンと不妊症治療について

バストアップ

成長ホルモンは、乳腺のラクトゲン受容体に作用して、バストアップの効果を有します。一定の条件を満たしている女性に対して、この効果は強く現れます。アップしたバストは成長ホルモンの投与を中止しても小さくならないので、チャレンジする価値は十分にあります。

この効果は、ラクトゲン受容体の発現と関係していますので、10歳代、20歳代、30歳代で効果の出方が異なります。

バストサイズがアップするのはナゼ?

バストのハリ

30歳代後半から50歳代前半の女性が利用すると、バストのハリが回復すると同時に、ウエストのくびれが目立ってきます。肌のハリも高まりますので、急に容姿が回復したようにみられます。この目的で成長ホルモンを利用している人は年々増えています。

内臓脂肪との関係(加齢に伴う体型の変化とダイエットとの関係で注目!!)

若い頃は太っても、お腹は出てきません。しかし、30歳を超えるとちょっと太ったときにお腹が出てきます。お腹の中の腸の周囲には、脂肪を分解するホルモン感受性リパーゼという酵素がたくさんあります。若い時は、この酵素の活性が高く、腸の周囲に脂肪がつかないように見張られているのです。だから、若い時は多少太ってもお腹は出てきません。しかし、このホルモン感受性リパーゼの活性は、加齢に伴い低下します。それに伴い、ちょっと食べすぎるとお腹が出てくるのです。
ところで、もともと、このホルモン感受性リパーゼは、成長ホルモンにより活性化されます。つまり、加齢に伴い体内の成長ホルモンが減ってしまうので、ホルモン感受性リパーゼの活性が低下し、内臓脂肪がついて、お腹が出てきてしまうのです。
だから、逆に、成長ホルモンを投与しながらダイエットに取り組むと、内臓脂肪が優先的に落ちていきますので、ウェストのくびれが目立ち、メリハリのある体型になります。成長ホルモンの作用で、女はバストのハリが回復し、男は筋肉が発達しますので、体型は際立つ美しさになります。

成長ホルモンとダイエット

脳に対しての作用、うつ病・うつ状態の治療効果

成長ホルモンは脳に対しても作用を有しています。まだ研究未開拓の分野ですが、高齢者や中年者に投与すると、意欲が高まり、外出意欲も高まり、やる気が出てくる、朝から元気になる、と実感しますので、脳に対する作用が存在することは容易に推測されます。繁華街などで若者達が集まって、盛り上がっているシーンをよく見かけますが、あれは脳内に「何かいいことがありそうな予感がしてウキウキする」という気持ちを持っているからです。加齢に伴い、その気持ちがなくなり、「落ち着いた」といわれますが、あの「何かいいことがありそうな予感がしてウキウキする」というのが、まさに成長ホルモンの脳内作用と推定されます。今後の研究成果を待ちたいと思います。

成長ホルモンが、この分野で威力を発揮するのは、うつ状態の回復です。そして、うつ病の薬物治療からの離脱です。「朝から元気が出ない。やる気がしない」という場合は、ほぼ回復します。回復するまで、2~3週間です。回復したら、意欲あふれる生活に戻っています。疲労回復効果も強いですので、一挙両得です。そして、うつ病に対して薬物療法を行っている時は、成長ホルモンを併用してみてください。少しずつ元の薬物を減らしていくことができます。この場合の治療は、もともと体内に存在する成長ホルモンを利用していますので、極めて自然です。また、うつ病の薬物治療においては、体重が増えていくのが特徴ですが、成長ホルモンを併用すると体重が減り始めます。

うつ治療(研究課題)

脱毛、抜け毛の防止、発毛、育毛、増毛

成長ホルモンを利用すると、抜け毛防止、増毛の効果が見られます。成長ホルモンには、体内でたんぱく質を作り出す反応を高める作用(蛋白同化)がありますが、髪の毛はまさにタンパク質ですから、そうなるのは当然です。

男の30歳代、40歳代の抜け毛防止には効果があります。男の脱毛、抜け毛には遺伝的な要素が関係していますが、発症するのは体内の成長ホルモンが激減する時期に相当します。遺伝を発現させる因子と、体内の成長ホルモン減少が、強く関与しているのであろうと示唆されます。

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成長ホルモンの処方は保険適応外です。費用に関しては
1ヶ月用¥22,000(税込)、3ヶ月用¥63,800(税込)、診察料が別途¥2,200(税込)です。

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四谷メディカルクリニック
〒160-0004
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院長:風本真吾

略歴

平成元年 慶應義塾大学医学部卒業
2年間研修医を経て同医学部内科大学院へ
平成4年 四谷メディカルサロン(現四谷メディカルクリニック)開設
現在に至る